📚遠藤周作『夫婦の一日』読書会レポート|あらすじと感想(第41回)

📚若い読者のための短編小説読書会

2025年12月17日(水)第41回目の短編小説読書会を行いました。今回は3名での開催となりました。

今回のテーマは遠藤周作『夫婦の一日』でした。

遠藤周作『夫婦の一日』のあらすじ

長年連れ添ったカトリック信者の夫婦の物語。夫は幼いころから信仰の中で育ち、妻は結婚を機に洗礼を受けた。

ある時から、夫の身内に不幸や事故が立て続けに起こる。偶然とは思えない出来事の連続に、妻は強い不安を抱くようになる。祈りだけでは拭えない恐怖に押され、妻は評判の占い師を訪ねる。占い師は「鳥取へ行けば災いは治まる」と告げる。

妻は夫に一緒に鳥取に行くよう懇願するが、それは迷信や占いを否定するカトリックの教えに明らかに反する行為だった。

信仰を守るべきか、不安にすがる妻に寄り添うべきか。
動揺した夫は、正しさと愛情の狭間で、ある静かな決断を下す。

初読の感想

まずは「審査員になったつもり」でこの作品を評価し、感想をシェアするところから始めました。

Gさん<br>★★★★★
Gさん
★★★★★

遠藤周作は知らなくて初めて読みました。個人的にとても気に入りました。鳥取の砂丘に杭をうつ場面は、聖書の中でキリストが磔になる場面と重なっているのかなと感じました。

奥さんはいい人だけど、カトリックの信者としてはあるまじき行為であるわけで、それを受け止める旦那さんとの心の動きがいいなと感じました。

Oさん<br>★★★★☆
Oさん
★★★★☆

遠藤周作は『沈黙』や『海と毒薬』は読んだことがありましたが、この作品は初めて読みました。奥さんの言うことに折れて従っているいい夫婦だなと思いました。奥さんの気持ちはよく分かります。カトリックの信者でもあるけれど、他のものも信じてしまう。本音と建前というか、2人の心の受け止め合いが非常に温かい物語だなと感じました。神父様も他のものを排除する方ではなく人とのつながりを大事にしているのが印象的でした。

Yuya<br>★★★★☆
Yuya
★★★★☆

僕も遠藤周作は好きな作家で「信じるとはなんだろう」ということを考えてしまします。行動することは信じたことになるのだろうか、というのは深いテーマとしてみなさんと議論してみたい部分です。

今作の選定理由

12月はクリスマスがありますね。日本では文化的なイベントとして広く認知されていますが、キリスト教の中では神の子であるキリストの誕生をお祝いする日となっています。というわけで今回はキリスト教を題材に信じるとはどういうことなのか、ということを皆さんで議論するきっかけにしたく今作を選びました。

日本人の宗教観はかなり独特と言われています。何も信じていないつもりでも、神社に参拝したり仏式でお葬式を執り行ったりと、生活の中に溶け込んでしまうのが日本の宗教の特徴です。あまりにも身近にありすぎて、自分は無宗教だ、と言っている方も信仰しているという自覚すらないという状態の方がほとんどです。

そういう意味で、今回の作品は信じること、信仰心とはどういったものなのかを考えるきっかけとして良かったかと思います。

まとめ

今回は遠藤周作『夫婦の一日』を、参加者の皆さんと意見を交わしながら読み進めました。多角的に読み解ける作品で、感想をシェアする中で新たな視点に気づかされることも多く、とても刺激的な時間となりました。

次回の読書会も、新しい物語と出会い、語り合えるひとときになることを楽しみにしています。初めての方も、どうぞお気軽にご参加ください!

次回作品と日程は決まり次第、こちらのブログにてお知らせします。

次回のご参加も心よりお待ちしております。

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